2014年2月28日金曜日

部品

tamiya製のギアドモータを固定するための部品を作りました。
最近、簡単なものならば3Dプリンタでなくても、レーザーカッターで部品を作れるようになりました。



材質は5mm厚の透明アクリルです。
ギアドモータ用固定部品です。

先日作った紗綾型タイルは手ごろなので大きさを記録するためにおいています。
タイルは最小辺が10mmです。つまり70mm×90mmです。

レーザーカッターでアクリルを切り、曲げます。
こんな風に使います。
モータをねじで固定しています。



2014年2月26日水曜日

さやがた4

前回の「さやがた3」で紗綾型タイルを作ってみましたが、
5mm厚のアガチス材は折れやすいので、もう少し厚めの10mm厚アガチス材を切ってみました。


表面
裏面


木材加工実験で10mm厚アガチスが切れることを確認していたので、問題なく切れました。
といっても端の方は火が出ていましたので、ところどころ黒くなっています。


しかし、同じ紗綾型とはいえ、違った印象を受けます。
伝統的な和模様というよりは知育的なパズルのようにも見えます。

アガチスの強度はあまり高くないので、今回作成した10mm厚の紗綾型タイルも大人が力をいれると折れます。
少なくとも、まだ壊れていません。

2014年2月25日火曜日

case 5.3 木箱

底面と組み立てです。

カリン材です。
強度100%速度1.9%で切りました。
少し炎が出ていましたが、一度で切れました。
以前失敗したのは、おそらくレンズが汚れていたせいではないかと思います。

完成
一部壊れてしまいましたが完成です。
若干背面の板が高くなってしまいました。

ちゃんと計算してあるので、開きます。

接着はしていないので、壊れた左側面の板はそのうち作り直します。
模様の切り抜きも残っているところが多いので今後の課題です。

しかし、ひとまず完成と言うことにします。




2014年2月24日月曜日

レーザー加工データの作成方法2

レーザー加工のためのデータ作成について、第2弾です。


今回はOpenOfficeを取り上げます。
ご存知の通り有料のMSWordやMSExcelの替わりに使われるフリーのオフィスソフトパッケージです。
今はversion 4が出ているようです。
昔はsun microsystemsがstarsuiteとかいう名前で売っていたものですが、オープンソフトになり分岐したりと変遷してきました。

その中にdrawというソフトがあります。
これを試しました。
結果からいうと、案外使えます。


線の設定

light redか赤3が有効



ただ、線の色の設定に癖があります。
RGBではなく、色に名前がついています。
日本語版なら赤3とか。
「赤3」がRGBでいう255,0,0で、レーザーカッターシステムでベクターとして認識されます。
しかし、バージョン/言語によってはlight redとして登録されていたりして、統一性がなさすぎです。
ともかく、経験的にそれらしい色を選択すれば何とかなると思います。

線幅は0.00と表示されています。おそらく0.01以下で設定するとこのように表示されるのだと思います。
レーザーカッターのシステム上で赤色(ベクター)として認識

illustratorやinkscapeで使い慣れてしまったので、使いにくい印象しかありませんが、
テンプレートみたいな図形が選べて、
難しいことをしなければ、初心者には使いやすいかもしれません。

学生らは、よくこれを使っています。




2014年2月21日金曜日

ペン立て

ペンたてです。
学生の作品です。



5mm厚アクリルを使用しています。
それぞれの部品を作って、接着しています。
接着は溶剤で溶かしてくっつけるタイプのものを使っています。

構造が単純で、透明なアクリルということもあり、シンプルでいいと思います。
上から見るとubuntuのマークに似ていますが、本人は特に意識したわけではないようです。



2014年2月20日木曜日

IQLight 3

最近、レクチャをしているので、学生にもレーザーカッターの使い方を教えていますが、
春休みにも関わらず、学生たちも大学に来て工作しています。

今日はその作品の一つを紹介します。
IQLight

素材は1mm厚のポリプロピレンです。

大きさを参照のために先日作った紗綾型タイルを置いてみました。
紗綾型タイルは9cm×7cm×1cm厚です。
結構大きいです。
まだ未完成らしく裏側は閉じていません。



これまでのIQLightに関する記事のリンクです。
IQLightの作成
IQLightの展示


2014年2月19日水曜日

木材加工実験 7

木材加工の実験します。
今回は10mm厚のアガチス材です。

アガチス材は比較的安価で近くのホームセンターでたくさん売っているのでこれを選びました。
今までは5mm厚の木材を実験してみましたが、もう少し厚い木材でも実験するべきと考えて試してみました。
10mm厚の120mm幅です。
最近の木材加工実験と同様に網目状の切断加工をします。

網目状加工
強度100%速度2.0%です。
だいたい貫通しています。
裏面

5mm厚以上のものは、難しいと思っていましたが、レンズを毎度掃除してベストコンディションにしておけば、10mmアガチス材なら加工できそうです。



天井にかざしてみると光が見えますが、ところどころ貫通しきれていないところがあります。
ですが、これくらなら許容範囲かと思います。
加工中、炎が少し出ていましたので、これ以上強くはしませんでしたが、炎が広がることもなく、このくらいのパラメータならぎりぎりなんとかなりそうです。

しかし、10mm厚と厚いせいかほとんど曲がりません。




2014年2月18日火曜日

レーザー加工データの作成方法

これまで、レーザー加工機で加工する際のデータはillustratorで作ってきました。
が、adobeの製品で高額なので学生などは簡単に使えません。
よってフリーソフトで代用できないかと考えていました。

各ソフトウェアについて試してみましたので、それぞれのレーザ加工機を使う上での使い勝手の考察をします。
ということで、はじめは前述のinkscapeについてです。

いわゆるフリーのドローソフトです。
標準でsvg出力しますし、pdfやeps出力ができるので、便利です。
細かいキーや機能に違いはありますが、illustratorと似たような操作感があります。
ベジェ曲線が使えるので、凝ればかなりのものが作れると思います。


塗りや線の色もRGB,HSVなどで指定できるのでレーザーの場合は
赤線に指定する場合、RGBで255,0,0として数値で指定しています。


特にレーザーアプリケーション側でベクターとして認識されるには
線幅を0.001ptに設定しなければいけないので、
その部分の設定なかなかうまくいきませんでした。
線幅の設定はできるのですが、少なくともレーザー加工機でベクター線としては認識できないようです。

inkscapeはフリーで気軽に使えるところがいいところなのですが、
残念ながらこれでは最終的な出力ができません。
なので、大抵は自宅でinkscapeで作成してpdf出力後、illustratorで出力して加工するという使い方をしています。



2014年2月17日月曜日

さやがた3

前回さやがた2で作成した図形でレーザー加工します。
材料は5mm厚のアガチス材です。

紗綾型タイル完成図
強度100%速度5.0%です。
アガチス材は結構燃えやすいので弱めに設定してあります。


ここまで作っておいて何ですが、失敗しました。
作成中の様子

ちょっと考えればわかることでしたが、タイルを隙間なく配置したので、
レーザーで切っているそばから、どんどんタイルが落ちていきます。
で、ほかのタイルの下に落ち、レーザーを浴びて燃えます。

更に切れ残ったまま落ちます。
で、途中で一時停止しつつなんとか回収したのが完成図のタイルです。



教訓

  • レーザー加工では、加工したものが下に落ちることを考慮して余裕をもって作るべし
  • 加工機の前を離れるべからず(燃えるので)



2014年2月14日金曜日

さやがた2

前回紗綾型模様のついたてを作りました。

もう少しこの紗綾型をテーマに考えてみます。
以前はすべてつながっていましたが、紗綾型タイルを考えます。
つまり、レーザー加工機で切るため、今回はillustratorで紗綾型タイルの編集を行います。
やってみると案外難しいのでその方法について解説します。
といっても、紗綾型タイルがどれだけ需要があるのか不明ですが、とりあえずやってみます。


タイルの場合、基本図形は下の図のようになります。
基本図形

つまり、この基本図形を複製して組み合わせると目指す紗綾型模様になります。
illustratorには図形位置を他の図形に合わせる機能があり、これを利用することで効率よく作図を進めることができます。
しかし、位置合わせする図形がちょうどいいところにない場合、当然位置合わせできません。
そのため、補助図形を入れて、図形を合わせるようにします。

下に補助図形をいれたところ

位置合わせ

同じ図形をコピー&ペーストし、補助図形を利用して適切な位置で止めます。
今度は直角に配置するため、コピー&ペーストし、shiftキーを押したまま90度回転させます。
で、卍ができるように適切な位置に合わせます。これは卍型ができる部分に正方形の補助図形を入れるとうまくいきます。

で、紗綾型図形の完成です。
今日は編集だけで次回切ります。


2014年2月13日木曜日

さやがた

紗綾型という模様をご存知でしょうか。
和模様で、着物柄などにも使われているので、おそらくどこかで見たことがあると思います。

紗綾型

模様をレーザーで切ってみると若干印象が違うような気がします。
試してみたいと思い、まずは幾何学模様の紗綾型模様を取り上げてみました。
ついたてのようなものです。
これを木材で作ってみます。

アガチス材
使用したのは5mm厚のアガチス材です。
強度100%速度2.5%です。
炎が出ているので、加工後は所々焦げ跡が残っています。レーザーが強すぎたのかもしれません。
煙も結構出るので、終わった後はレンズを掃除しておく必要があります。

模様を加工中

今回、模様の切り抜いた部分は必要ないのでいいのですが、レーザーがしっかり貫通していたため下に落ちていました。それで、貫通したレーザーが下の木に当たって炎上という事もあります。
なので、レーザーのエネルギーに関しては、貫通しても落ちるか落ちないかというあたりがベストです。

下に落ちた端切れは、燃えないようにできるだけ一時停止して取ります。

加工終了
これを組み立てます。
完成

上下左右にくぼみがあるのは縦横どちらの方向にも立てられるようにです。
対称性を考慮してます。
特に意味があるわけではないです。




2014年2月12日水曜日

木材加工実験 6

今回は再度黒檀にチャレンジしてみました。


強度100%速度20%で前回・前々回同様網目状にレーザ加工しました。

結果、かなり炎が出て危なそうなので止めました。
炎上しているにも関わらず貫通しない。
強度をあげるわけにもいかず、強度を下げても貫通しないと意味が無いため、戦略的撤退です…orz
まあ、以前の実験結果から予想はついていましたが。
前回までの成果は記事リンクからどうぞ

裏面

ここで何もせず止めてしまうのももったいないので、裏面も同じようにレーザー照射して加工してみました。
しかし曲がらず。
固いままです。
側面をみると

レーザが半分も届いていないような様子です。
ほとんどわかっていましたが、黒檀はレーザー加工による切断ができませんでした。
難しいです。




2014年2月10日月曜日

木象嵌

象嵌というのをご存知でしょうか?

とりあえず象とは関係ありません。
簡単にいうと、異なる素材の物を加工してた上で、貼り合わせ飾りなどの物を作る事です。
といっても意味が分かりにくいかと思うので、まずは今日の作品をどうぞ。


つまり、ここでは赤い木と白い木を別々に切って組み合わせて作ってみました。
赤い木はパドックという木です。狂いの少ない木です。


強度100%速度2.5%で加工しました。
貫通しやすいです。
一度加工しただけであっさり切れて部品が落ちていました。
さほど燃えもしませんでした。
パドックは実験では取り扱ったことないですが、レーザー加工しやすいかもしれません。
パドック

もう一つの白い木はサクラです。
こちらも強度100%速度2.5%としましたが、さくらは少し炎が出ていました。
加工後は黒くなっています。一度の加工で貫通していましたが、炎が出やすいので、速度3.0%ぐらいか、もう少し弱めにするほうがよいと思われます。


加工したら部品を組み合わせます。

実はパドックの方は、サクラの切落とし領域より少し大きめに作ってあります。
illustratorでパスのオフセットを0.1mmとしています。
レーザー加工すると設計よりわずかに小さめに出来上がるので、その分を考慮に入れています。
経験から木の場合は0.1mmオフセットすることでちょうどよくなるように思います。


さらに2mmアクリルも切って組み合わせます。

接着剤は使っていませんが、ちょうどよくはまります。
アクリルの場合は木より削れる量が多いようで、もう少し大きめに作る必要があるかもしれません。

象嵌というのは歴史が古く、木同士だけではなく、金銀や石などを埋め込んだりすることもあります。アラブなどで見られます。日本でも木象嵌の芸術家がいます。かなりの高度な木材加工技術で、簡単にはまねできませんが、レーザーだと簡単にできます。



2014年2月7日金曜日

木材加工実験 5

木材加工実験の5です。

今日はチークです。
学術名:Tectona grandisです。南アジア(インドから東南アジアなど)にかけて分布し、
家具などに使われる硬めの木です。
黒めの色合いでまっすぐな木目が落ち着いた印象です。耐水、対虫です。

強度100%
速度4.0/3.5/3.0/2.5/2.0%です。
前回同様網目状の加工で比較しました。


2.0%は少し炎がでていましたが燃えているというほどではなく、比較的煙が多くでます。



表面

加工裏面
白い煙が出ていたせいか貫通していないところがあります。
チーク材の場合速度2.0ぐらいがちょうどいいようです。

曲がり具合

貫通していないところがあったせいかあまり曲がりません。
曲がり具合を測ってもよかったのですが、その前にあっさり折れました。
あまり曲げすぎると壊れます。


2014年2月6日木曜日

CubeXの評価

3DプリンタのCubeXに関してです。
今までも思うところはあったのですが、保証期間内だしもう少し長い目で見てみようかと思っていましたが、ようやくCubeXの保証期間が過ぎました。

率直な感想としては、「駄目な機械」です。
但し、値段に見合ってないという意味ではありません。
日本メーカーの作る機械の高い水準に慣れすぎたのかもしれませんが、そもそも製品として納得できるレベルではないように思います。



そもそもトラブルが多いです。
ここ数か月の主なトラブルについて挙げてみます。ほとんどすべて純正品使用時に起きたものです。
  • ヘッド破損×3
    • 1回目:フィラメントがノズルヘッド内部でずれているため、うまく入って行かないという説明をされました → ヘッドをはずして中の折れたフィラメントを除去して解決
    • 2回目:ノズルヘッドが積層しているオブジェクトにぶつかり折れる → 交換して解決
    • 3回目:2回目と同様 → 交換
  • フィラメント
    • PLAが頻繁に折れる
      • 日本のような気候だ(湿気が多い)とうまくいかないことが多いとのこと → 折れるたびに付け直し。というか折れない工夫をしてから製品化するべきでは?
    • フィラメントがまだ残っているにも関わらず出てこない
      • フィラメントのカートリッジを開けると巻き方がいい加減で引っ掛かっていた → 引っ掛かるたびに少し緩めてまき直し。一般ユーザがそこまで簡単に気づくとは思えない
  • 造形台上下位置
    • エンジニアが上下位置を調整しに来てくれたが、その後出力するとノズルが台に当たり台が傷つく → 自分で調整して解決。マニュアルをよく見て自分で責任をもって調整すべき。 (これはCubeX自体の問題ではないですが)
    • 調整しようとしてもノズルが造形台に激突 造形台上下位置のセンサー(金属部品)が取れているのが原因 → よく報告されているエラーらしく、造形台交換で解決
      • 更に言うと、台を交換してもらっても台がうまくはまらない → 留め具のねじを緩めて調整しましょう と言われその通りにして解決 (いまいち納得いかないけどうまくいったからまあいいかという言うことになった)
      • これが原因でノズルに亀裂が入ったのではないかと思われる


いろいろと問題がありそうです。
いずれにせよこの機械は駄目な感じです。




2014年2月5日水曜日

Lecture

先日、大学内でfabricationに関する有志のレクチャーをする機会がありました。
fabricationというのは日本語にすると「モノづくり」といった感じです。


最近巷の「モノづくり」に関する関心はかなり上がってきているように思います。
幸運にも、僕は3Dプリンタやレーザーカッター、CNCを自由に使える環境にありますが、多くの人にとっては高価な加工機械であるのでまだ遠巻きに見ているという状況のようです。

まだ少数ですが技術者以外でも使い始めている人たちが出てきて、
様々な面白いものを作り出し、普及活動を行っているという状態です。
ただ、特に3Dプリンターに対して過剰な期待を持っている人たちも多いように思います。

つまり、過剰な期待を抱いている人たちにとっては、3Dプリンタやレーザーカッターは「誰でも」「何でも」「簡単に」つくれてしまう機械のような印象を持たれている感があります。
3Dプリンタもレーザーカッターも、かなり使いやすい便利な機械だとは思いますが、それぞれに使うためのノウハウがあります。
そこのむずかしさはなかなか理解されにくいように思います。